リトゥンアフターアワーズ2020年春夏ファッションショー
日本のブランドのリトゥンアフターアワーズ (writtenafterwards) の今季のテーマは「フローティングノマド」。ショーのタイトルは「アフターオール」で、何かに縛られたり、囚われたりしない、ゆらゆらと自由に揺れる雲のような綿素材やボリューミーなシルエットを使用することで、浮遊感を表現した。コレクションは、このブランドのトレードマークカラーの赤、白、黒で展開された。この色は、神道の影響を表すことから選ばれたものだ。神道的な実践と自然の要素である空気の美しいコラボレーションが、この世のものとは思えない優美さを演出していた。
上野恩賜公園で行われたリトゥンアフターアワーズのコレクションは、月が昇ると同時に始まった。モデルたちは黒いビニール袋のようなものを身に纏い、裸足で噴水広場の中央を歩いた。最初は不気味に感じた音楽も、激しい木枯しにより次第に掻き消されていった。
ショーの最初の三分の一は赤、次に黒、そして最後は白で彩られた。モデル達はキビキビと軽快な足取りで歩き、衣装は風を捉え、ランウェイの上でゆらゆらと揺れていた。そのルックスは間違いなく前衛的で、全く型にはまっていなかった。ヘッドピースはどれもオーバーサイズで、モデルたちの視界を度々遮った。ドレスは布を重ねたアシンメトリーなデザイン、袖は穴の空いた布で装飾され、私たちの意表を突いた。自然からインスパイアを受けた着ぐるみ (1つは大きくて汚れた雲、もう1つは、草と泥が混ざったもの) もモデルと共に登場。着ぐるみの演出は、見るだけでワクワクさせるだけでなく、今季のコレクションの特徴的な素材を披露することが目的だった。
神道と自然は、伝統的な柄や花柄でそれぞれ表現されることが多いが、幾重にも重なった布の上に、フリルやレイヤーを更に合わせることで生み出された不協和音により、新たな命が吹き込まれたのだ。今季のコレクションはドラマティックで実験的でもあった。リトゥンアフターアワーズが次のショーでどんな世界を見せてくれるのか今から楽しみだ!
Written by Choom, translated by Michiyo.
Images courtesy of fashion-press.net.