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『下妻物語』の文化的意味合い

日本のファッションとポップカルチャーといえば、中島哲也監督作品の『下妻物語』が頭に浮かぶだろう! このヒット映画は、ロリータファッションを愛してやまない桃子と、けばけばしく、人の目を気にすることのないひたむきなヤンキーであるイチゴの物語だ。この映画はロリータファッションを世界中に広めただけでなく、象徴的な友情を描き、今日でも日本のストリートファッションコミュニティーの重要な一部となっている。

2004年公開の『下妻物語』は、元やくざとホステスの娘で、田舎町に住んでいる孤独だが充実した生活を送っている桃子の物語だ。桃子はファッションライフスタイルを送るために販売しているVERSACE (ヴェルサーチェ) のコピー商品に興味を持ったイチゴに程なく出会う。桃子はイチゴのなれなれしい態度、メイク、趣味の悪いバイクの乗り方を軽蔑する。一方イチゴはすぐに桃子の性格を受け入れるようになり、桃子に疎まれても気にすることなく友達になると決める。イチゴはレディース総長の引退暴走用に着る特攻服を仕立て直すことができる伝説の刺しゅう家を探す旅に無理やり桃子を引っ張っていく。

 

Image courtesy of Cube Cinema.

この映画はロリータファッションの人気を高めたという点で、特筆すべきものだ。多くの人にとってこの映画は、ロリータファッションスタイルとの最初の出会いの1つだったのではないだろうか。基本的スタイル、シルエット、そしてもちろんBABY, THE STARS SHINE BRIGHT (通称、ベイビー) について学べる。ベイビーは最も歴史があり、かつ敬愛されているロリータブランドの1つで、この映画の衣装にも大きな影響を与えた。桃子の青いハートマークのエプロン、クラッシックなピンクのドレス、そして白のロッキンホースの靴を覚えているだろうか?

ロリータファッションは、この映画の筋書きで重要な役割を担っている。桃子は生活と個性にこのファッションを取り入れ、それがすべての判断と行動の原点となっている。駅に行くにはバスではなくエレガントに30分かけて歩くことを選び、昼食にハート型のランチボックスに入ったスイーツを食べることが大好きだ。桃子は彼女の外見をけなす人とは付き合わず、「普通」の洋服を買わせようとする人をどうでもいいと思っている。

ロココ調のファンタジーの世界にいつもいるような、そんな桃子のひたむきさを誰だって称賛するだろう。彼女は少し特別な存在で、他人が理解するのは難しい。しかし桃子は自分の信念と大好きな洋服を着ることへのこだわりの中で見いだす喜びを表現している。桃子の言っているとおり、「幸せならいいじゃん 」。

2人を結びつけたのは
社会のはみ出し者同士だということ

2人の性格がまったく正反対なだけでなく、ファッションの好みもまるっきり異なっている。桃子とイチゴは優雅なロリータファッションとかっこいいヤンキーファッションのかなり風変わりな2人組だ。桃子がVERSACEのコピー商品を販売していなければ、2人の少女は偶然出会うことはなかっただろう。2人を結びつけたのは、社会のはみ出し者同士だということだ。

 

Image courtesy of Cinephile City.

ファッションはさておき、映画はタイプのまったく異なる2人の少女の深い友情を掘り下げている。考え方が正反対の2人は、初めはお互いのことが気に入らずに言い合いになる。桃子は美しさと自分の幸せを優先する。一方イチゴは規則を破ることがすべてだ。しかし時間がたつにつれ、お互いに共感を覚えた2人は一緒に大きな困難を乗り越えていく。

2人の友情は、変化を引き起こす触媒だ——良いことも悪いことも! 桃子のおかげでイチゴは自分自身に課している強い総長になるためのプレッシャーから解放される。イチゴにとってかっこよく見えないからと決してしなかったこと、弱音を吐くこと、をしても大丈夫なんだということを桃子は気づかせてくれた。そして自己中心的な桃子はイチゴのために何日も徹夜を続けて特攻服への刺しゅうを完成させる。心から友達を助けたいために。桃子は、自分の欲求を満たすことだけが唯一の関心ごとだったが、ついに誰かを幸せにするために何かをすることがどういうことなのか、ということを学ぶ。彼女は一番のブランドドレスを犠牲にしてまで、イチゴを救うためにレディースのけんかに乗り込んだのだ!

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『下妻物語』は単なるファッション映画ではない。これは一人の高慢なヤンキーが自分の信念に従うことを学び、そして一人のロリータが友達を守るために喜んでブランド服を犠牲にした物語だ。2人はお互いを良い方向に変えたが、まだ欠点のある人間だ。2人は今でもそれぞれの生活を大切にしている。固く結ばれた友情には、同じ関心ごとを持つ必要がないということを証明している。この映画はロリータファッションだけではなく、お互いの違いを乗り越えてどのように友情を築いていくかを教えてくれている。

 

Written by Stefanie, translated by Toshi.
Featured image courtesy of Fandom.

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