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『Kawaii Riot』のJadeに聞く、ピンクエナジー、ラディカル・セルフ・ラブ、アクティビズム

Jade (ジェイド) さんにとって、自分の手でオルタナティブスタイルのオンラインプラットフォームを立ち上げたことは、想定外の出来事だった。だがオルタナティブファッションのコミュニティーが、核心を突くような話し合いを避けていたので、彼女がしょって立つしかなかったのだ。メンタルヘルスや「カワイイ」ファッション、SNS上のハッシュタグ#blacklivesmatter――触れてはいけないものは何もない。彼女のフォロワーは、その遊び心溢れるファッションの虜だが、彼女と他の寄稿者が推し進める、意志ある変革を待ち望んでもいた。紅茶の入ったマグを片手に (あとくつろぎのブランケットも!) ラディカル・セルフ・ラブ (過激な自己愛) やアクティビズム、そして「ピンクエナジー」について、話を聞いていこう。

 

Jadeさんにとってのラディカル・セルフ・ラブ (過激な自己愛) とは何ですか?

ラディカル・セルフ・ラブとは、自分を認めたり自分の価値を探したりする道なんです。それが喜びに満ち溢れている必要はありません。ラディカル・セルフ・ラブ は心と身体の余裕となって、現実に即し、寛容に自分を労わることができようにするんだと思いますよ。

過激な自己愛はあなたの人生をどのように向上させてきましたか?

わたしは決して自己評価の高い人間ではなかったんです。人生がどん底だった時、もっと落ちていってしまうんじゃないかと思っていましたし。そんな精神状態では、ただ生きていることに繋ぎとめる物なんて何もないと感じていて。「わたしには価値がない」という考え方から「きっと大丈夫…わたしは上手くやれる」と徐々に考えられるようになってから、わたしの人生は変わりました。わたしは自己愛の完璧なお手本ではありません。もっと向上するために学ぶべきことがたくさんありますし。ですが毎日特訓をしてありのままの自分を受け入れて生きているということは、わたしはまだここで頑張れているということです。

 

 

Jadeさんとっての「ピンクエナジー」について、そしてそれが何を表しているのかを教えてください。

わたしにとってピンクエナジーは、わたしの心が、ありのままの自分をさらけ出すことをどう解釈しているかってことですね。ピンクって赤と白を混ぜた、中間間色じゃないですか。わたしの魂、ひらめき、そして永遠なる詩神の色なんです。わたしにとってのピンクエナジーは自己受容、そしてありのままの自分に満足すること。もしわたしが魔法少女ならピンクエナジーは言葉とファッションを結びつける手段になりますね。

「自分だけの時間」の習慣は何ですか?

まず思うに、「自分だけの時間」の過ごし方について知りたい人が理解しておくべきことは、わたしには有効なことでもあなたにとってはそうではないかもしれないということ。わたしのセルフケアの習慣は、自分自身に、そしてわたしの心が欲するものに、向き合いながら身に付けてきたものですからね。

そしてセルフケアというのは、物で満たされる以上に、心や感情のケアでもあるということですね。沈んだ日々を送っている時は、現状に目を向け地に足をつけなければと気付きます。落ち込んで、起こった出来事に打ちのめされている時は、即座に自分自身を見つめることが大事なんです。わたしのやり方は、座ってテレビを観るか本やウェブ漫画を読むかして、そして気付いたことを自分のために書き留めるというもの。それが、『National Treasure (ナショナル・トレジャー) 』を観て、自分だったら独立宣言書の窃盗を企てる重圧にどうやって耐えるかについて書いているものだから、なんとも奇妙な過ごし方なんですよね。この余裕があれば、もう過去の出来事に苦しめられることはないんです。ただ、ピンク一色の部屋に座って映画を観ているだけです。

わたしのちょっと変わった映画タイムに加え、身体的な幸福にも意識を向けて追求するようにしています。わたしにとってそれは、手首の神経損傷による痛みを和らげるための運動や、呼吸器系を大事にすることですね。シートマスクは大好きだけど、ストレスの緩和になるセルフケアとは違うんです。ちょっと卑猥でスリリングな小説を読むこと、アニメを観ること、ワードゲームをすることがそうですね。

 

 

セルフ・ラブの道におけるソーシャルメディアの重要性とは?

わたしにとってソーシャルメディアは、共通の趣味を持つ仲間と出会える場所なんです。同じような経験を共有できる人や、置かれた状況を脱して愛や人生を求める同志を、いくらでも繋げてくれます。

ソーシャルメディアが無くてもわたしはラディカル・セルフ・ラブに向かう道を見つけていたと思いますけどね。なんだかんだ言っても、わたしはメリーランドに住む単なるライターに過ぎません。声を上げて主張したいともがいている事柄を表現する手段として、物を書いています。そうした点でソーシャルメディアは、わたしの人生においては公開日記に近いのかもしれませんね。ですが、セルフ・ラブはソーシャルメディアが起源ではないと思っています。

多くのインフルエンサーが自身を活動家と呼んでいますよね。ネット上の積極活動主義についてどう考えますか?

アクティビズムというのは、政治的・社会的変化をもたらす、一連の行動のことですよね。社会全体の幸福を生み変化を起こすには、影響力が物を言います。とはいえ全てのインフルエンサーがアクティビズムの考えに対して忠実なわけではありません。もし社会的利益を得て影響力を持つためだけにアクティビズムを発信しているのであれば、それはアクティビズムとは言えません。

ソーシャルメディアのアクティビズムは、行動主義のひとつのかたちではあるものの、全てがそうとは限りません。社会的変化に寄与する術は大小様々ありますが、もし流行りに乗っているだけならば、その人は活動家ではなく、ただの消費者でしょうね。

どうして『Kawaii Riot (カワイイ・ライオット) 』を立ち上げたんですか?

オルタナティブなファッションやライフスタイルのコミュニティーが避けていた意見の言い合いができる場所、わたしたちのライフスタイルに相交わる、自分の考えを主張する権利や教育を探求するために、そのコミュニティーにいる人たちが多様な意見を言い合える場所が欲しかったんです。そしてわたしたちはもっと価値のある人間で、もっとたくさんのことができるんだってことを表現する場所があればいいなと思っていました。

 

 

『Kawaii Riot』はどのようにコミュニティーの積極活動主義を活発にしていますか?

『Kawaii Riot』は、コミュニティーがより他者の気持ちを考えること、そして参画することを求めています。黒人差別やサスティナビリティ、資本主義について学んでいる人にも、政治変革に精通している人にも、このプラットフォームに参加する意義は十分にあります。

このプラットフォームはオルタナティブなファッションやライフスタイルのコミュニティーに属する、遠くに住む人たちとも団結できる、国際的な行動誘因です。ANGELIC PRETTY (アンジェリック・プリティ) を着こなしたロリータガールにファッション業界の問題点を語ってほしいとは思っていません。それでも彼女がそんな話をすれば、議論が盛り上がってしまうでしょうね。もしビジュアル系の人がサスティナブルファッションや地球にやさしいライフスタイルについての話をしたがれば、『Kawaii Riot』はそうした会話やこの先の自分の考えを主張する権利のために、備えたほうがいいかもしれませんね。

『Kawaii Riot』が描く未来とは?

前進あるのみです。コミュニティーにとって信頼のあるリソースとなる土台を築いて、深い考えに基づいた意見交換を盛り上げていきたいですね。『Kawaii Riot』が、できるだけ多くの道でコミュニティーに恩返しをする非営利団体になればいいなと思っています。より多くのオルタナティブファッションコミュニティーの、自分の考えを主張する権利の探求を活発にしたいです。世界ではたくさんのことが起こっていますが、『Kawaii Riot』の活動はオルタナティブファッションを楽しむことで世に変化をもたらすことです。『Kawaii Riot』のチームは長期にわたって、アクティビズムや参画のしやすさ、そして社会変動についての対話の継続を促進していくことに全力を注いでいきます。

 

Instagram | Jadedisland | Kawaii Riot
Introduction and questions by Ash, translated by Chinatsu.
Images courtesy of Jadedisland.

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