素晴らしい愛ではなく素晴らしい友を探した方がいい?
映画を見ていても、Instagramのフィードをスクロールしていても、そこには必ず真実の愛を持つ人との幸せがある。大人になると、人々は「運命の人」を探すために多くの感情を注ぐが、数年後には映画のような惚れた腫れたの関係ばかりではないことに気づくことになる。悲しいことに、わたしたちは友愛よりも恋愛や仕事などのやるべきことを優先してしまうのだ。今こそ、焦点を移す時なのかもしれない。実際にそばにいてくれる人たち——友人に。
多くの映画では、若い女性が真実の愛を見つけようとする姿が描かれている。彼女たちの親友はそれに付き合う脇役として登場する。こういった物語では、友人は背景の一部のように見えてしまう。しかし、映画業界は友人関係にあまり重要性を持たせないことで、複数の人と強い絆を築いて人生を豊かにする必要はないと伝えているのだ。その役目はただ一人の「運命の人」が担うのだから。
恋人は移り変わるものかもしれないが、友情は永遠だ。何ヶ月も (あるいは何年も!) 友人と話をしないでいても、いざメッセージを送ってみると、何も変わっていないような気がするものだ。友人とは、恋人のようにお互いに何かを求め合うものではない。わたしたちを支え、笑わせ、泣きたいときに肩を貸してくれる存在だ。
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『Romy and Michele’s High School Reunion (ロミーとミッシェルの場合) 』(1997年) に登場するRomyとMicheleは、数ある素晴らしい友情の中でも「お互いのために何でもする友だち」の代表例だ。脂肪分ゼロのくまグミダイエットを応援してくれる親友を欲しくない人なんている? プロムデートをすっぽかされたときにCyndi Lauper (シンディ・ローパー) の「Time After Time (タイム・アフター・タイム) 」に合わせて一緒にスローダンスを踊ってくれる友人もそう。じゃあ、高校時代のいじめっ子たちは? 気にしない! 親友はあなたのありのままの姿を愛し、ためらうことなく一緒にオートクチュールのドレスを着て、いじめっ子が間違っていることを証明してくれる。RomyとMicheleという例は、強い絆があればどんな障害も乗り越えられることを完璧に示している。素晴らしい友人に支えられていれば、拒絶されても気にならないでしょう?
次は、『Adventure Time (アドベンチャー・タイム)』のJake (ジェイク) とFinn (フィン)。彼らの友情は、サポートとチームワークが全てだ。二人はいつも全力でお互いを守り、励まし合っている。フラれて失恋したフィンの気持ちを晴らすため、JakeがFinnにガールフレンドを作ってあげた「燃えるような恋をして」というエピソードを思い出して。これが、悲しくて寂しいときにも友だちがそばにいてくれることを証明できないとしたら、何が証明できるだろうか。このような友人は良いときも悪いときも、富めるときも貧しいときも、生涯にわたってあなたと共にある。
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Harry (ハリー)、Ron (ロン)、Hermione (ハーマイオニー) は、2人以上の人間の間にも最高の友情が存在することを証明している。彼らは、「男の子」や「女の子」だから友達になったわけではない。彼らが友達になったのは、一緒にいると強力なトリオになるからだ。3人の能力と個性はお互いに補い合い、それが困難な状況を乗り越える力となる。
3人が頼れるものといえば、互いへの無条件の信頼だ。その信頼は犠牲にもつながった。Hermioneは規則にこだわるタイプの人間なので、彼女にとって規則破りは最悪の悪夢だったはずだ。しかし、彼女はHarryとRonを助けるために、何度も何度も規則を破った。Ronは友人を助けるために自分のプライドを犠牲にしなければならなかった。「生き残った男の子」やHermioneのような天才と友達になると、どうしても裏方に回ってしまう。Harryの人気に、RonはHarryを恨むこともできた。でも、そうしなかった。RonはいつもHarryをかばい、兄弟のように接したのだ。Harryの人生は犠牲の上に成り立っているように見える。彼の両親や周りの人たちは、彼のために犠牲を払っていた。その犠牲を意味のあるものにしなければならないので、Harryには大きな負担がかかってしまう。どんなに辛いときも、Harryはいつも難局に立ち向かうことができた。それは、友人たちが自分のためにまったく同じことをしてくれているのを見たからだ。
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友愛は、恋愛と同じくらい貴重で重要なもの。人との強い絆は、わたしたちに安定感を与え、人生を少し楽しくしてくれる大切なものだ。どんな関係にも良いときと悪いときはあるが、非現実的な期待を手放し自分にとって大切な人との時間を作ることで、充実した日々を送ることができる。そして、これは「運命の人」を探すことと同じくらい重要なことだ。
Written by Stefanie, translated by Sachi.
Featured image courtesy of Them.