Loretta、昼はスタートアップの伝道師、夜はユーチューバー
ベストな日本語学習の教材と旅行先についてアドバイスが欲しいですか? それならLoretta (ロレッタ)、別名@kemushijpが助けてくれる! 彼女のYouTubeチャンネル「KemushiChan」は、彼女の日常生活と仕事から、地元の人たちとの会話まで網羅している。Lorettaは日本のとてもエキサイティングな面を世界に伝えるというすばらしい仕事をしているのだ! NHKでの仕事、日本語学習のテクニック、そしてカルチャーショックについて、彼女とじっくり話しあった。
自己紹介をお願いします。
こんにちは、私はLorettaです。ニューヨークと日本のスタートアップベンチャー企業に対して、バイリンガルのコンサルタントをしています。といっても、インターネットでは、日本に引っ越してきてから自分の生活をシェアする風変わりなユーチューバーKemushiChanとして良く知られています。私のオンラインコミュニティーのKemunity (※) には現在17万6千人以上のサブスクライバーがいます。
※日本と日本語マニアのオタクグループ
交換留学生としての日本での経験について教えてください。
交換留学生として日本に来るということは、ジブリの世界でお約束のとても不思議な経験をするようなものです。2005年に初めて来日し、逗子にホームステイをしました。そのとき、私は16歳の学生でした。当時はスマートフォンとWiFiが普及する以前だったので、私は友達であるガラケーと、ミクシィのアカウントのことばかり考えて日々を過ごしていました。そして、どこかに行くには、地図を手にして、コンビニと交番に道を尋ねることに多くの時間を使っていました。ラーメンとラムネを食べるだけなら『初級日本語げんき1』レベルの日本語で十分通じたのですが、とても難しかったのはもともとカタカナで知っていた単語を漢字、平仮名、カタカナで覚え直すことでした。
アメリカから来た人にとって、日本では色々なことがとても違うと思います! 最もカルチャーショックを受けたことについて教えてください。
ゴミ出しです。リサイクルが不要な場所から来たので、ホームステイをした家で何を捨てなければならないのかを何度も説明して聞かなければならず、それがいつも大騒ぎで大変だったのを思い出します。
日本語がお上手ですね! どうやってそんなに上達したのか教えてください。
自分の声を録音するんです。世間には最新の魅力的なアプリがあり、多くの学生が自分の部屋で静かに日本語を読んで見ていれば会話を学べると今でも思っています。私の周りは日本人ばかりでしたが、日本語が上達したのは聴き逃したことをよく聴き、加えて日本人から聴いたことを補足し、それを毎週自分で録音して聴き始めてからでした。羞恥心を抑え、日本語を発声する感覚に慣れなければなりません。
日本語の会話で最初に自信を持てたときのことを教えてください。
まあ実際のところは、米国務省「重要言語奨学金 (CLS )プログラム」を受講した時ですね。これは同志社大学での日本語のみのプログラムでした。それ以前もまあまあうまく話せてはいましたが、その期間中に英語を止めたときに最も自信を持てました。文章をどんどんしゃべり、間違いを気にしないことが、まさに自分の言いたかったことを言うたった一つの方法だと思ったからです。
どうしてYouTubeを始めたのですか?
Applemilk (※1) とTofuga (※2) の頃にさかのぼると、YouTubeは今と少し違っていました。日本語をしゃべる仲間がほとんどいなかったので、YouTubeは日本にいなくても自分の声を録音して他の人からフィードバックをもらえる唯一の方法だったのです。
※1日本語レッスンのYouTube
※2日本文化と日本語についてのブログ
日光旅行、愛知県でサイクリング、そして富士山ハイキングの動画を作っていますよね。いままで行った旅行先で好きなところはどこで、次はどこに行きたいですか?
高山か東北か悩んでしまいますね。日本はどこに行ってもとてもきれいですが、とても楽しみにしているのは、いくつかの新しい方言を学ぶために本州の末端に行くことです。
YouTubeの他には、NHKで働いていますよね。どのようなことをしているのですか?
国内向けの、中部地域を紹介する旅行番組で主に働いていましたが、2020年前にはNHKワールドTVの『日本旅行計画 J-Trip Plan』や『カワイイインターナショナル』などで、ゲストレポーターを多くやり始めました。これはほとんどユーチューバーからの派生ですが、旅行が自由に行けるようになったらまた現地に行きたいですね。
創造的自由は十分にありますか?
ええ! ひとつ悔やんでいることは、ブランドキャラクターをあまり創り出せていないことですね。特に日本では、普段の自分の個性を誇張すればもっと目立つのでしょうが、いまのところご覧のとおりです。新しいプロジェクトについての一番の問題は時間が取れないことです。ちょっとだけ考えている夢のいくつかを実行に移せるように、いまの計画としては多くの仕事と情熱をもう一度、再編成することです。
一番誇りに思っているものは何ですか?
正直なところ、私のコメント欄とDiscord (ディスコード) にいる人たちです。闇雲に質の低いコンテンツをたくさん発信しても、それを育てるコミュニティーがなければ意味がありません。それで多方面の才能と実績がある世界中の人たち会うことで、いつも私はそもそも何で言語の学習を始めたのかを思い出します。それはおもしろい人たちと会うためです!
目標と夢は何ですか?
学生、学生でない人、クリエーター、それ以外の人たちのための、奨学金を設立することです。多くのすばらしい才能を持つ人がいますが、彼らにはアイデアを実行するための方法があまりないのです。
すばらしい考えですね! 奨学金についてもう少し教えてください。
ありがとうございます! 成績などを考慮する必要も少しはあるでしょうが、 最終的なゴールは成績や実績にかかわらず、クリエーターのスキルやニーズに合わせて資金援助をすること、特に少人数のグループに対して援助をすることです。情熱のあるプロジェクト、調査、言語学習、生活費、そして、私が夢見た以上のことを成し遂げられるように、多くの私のような人たちに資金援助をしてあげたいのです。
最後にひとことお願いします。
言葉を学ぶことは、本当に「生活を楽にするちょっとした工夫」です。何も一番になる必要はないんです。言葉を通じて多くの人に会うにつれ、自分が知っていることから離れて自分自身を知ることを心地よく感じるようになったのです!
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Introduction and questions by Stefanie, translated by Toshi.
Images courtesy of Loretta.