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言わずもがな、Imani K. Brownはエネルギッシュな人

もしもこの空に果てがあったとしても、Imani (イマーニ) さんは超えていくんだろう。Imaniさん (@ipukekawaii) は、ライター、タトゥーアーティスト、「カワイイ」ファッションの愛好家、そしてイラストレーターだ。だがそれだけにとどまらない! 世界中のアーティストが自身のアートを効率良く売り出すためのブランディングコーチも務めている。もう、すごい! 言わずもがな、Imani K. Brownさんはとてもエネルギッシュな人だ。マルチに活躍するImaniさんに、タトゥーアートや彼女の自叙伝、そして自己愛について話を聞こう。

 

自己紹介をお願いします。

みなさんこんにちは! Imani K. Brownです。タトゥーアーティストとイラストレーター、ライターをしていて、そしてワシントンD.C.にある「カワイイ」タトゥースタジオと洋服のお店 LITTLE INKPLAY SHOP (リトル・インクプレイ・ショップ) も経営しています。

なぜアカウント名を「ipukekawaii (カワイイを吐き出そう) 」にしたんですか?

センセーショナルなカワイさは、暗く沈んだ日々を送る中でも、幸せではちきれるような気分をくれるので、アカウント名に「ipukekawaii」を使っています。「カワイイ」ライフスタイルを始めた頃は、今よりもだいぶアグレッシブで粗削りな性格でした。普段の私は率直です。「一度言ったことは曲げない」タイプのギャルで、とても可愛いとは言えませんが、おしゃれをすれば自分の中にある柔らかい部分が顔を出すんです。柔らかさを持ち合わせていれば、毎日安定した柔らかさじゃないとしても、出てきてくれます。だから私は、「カワイイを吐き出そう」と唱えています。

タトゥーとはどのように出会ったんですか?

私は自傷行為としてタトゥーを始めました。自傷行為の代わりにタトゥーを入れて、私が求めていたのと同じような、痛みを伴う解放感がありました。とある白人の男 (当時のアーティスト) に弟子入りさせてくれないかと頼んだ時のことです。彼は私に面と向かって、「女性はともかく、黒人は弟子にしない」と言いました。面食らいましたよ。それから、これは挑むべき壁だと思うようになりました。ありがたいことです。彼のあの言葉がなかったら、私は今アーティストになっていなかったでしょうから。というわけで、名前は伏せますが、感謝しています。

大学を卒業する頃には写真の仕事をしていて、タトゥーを入れに行きました。臆することもなく自分を売り込んだら、タトゥーアーティストのChris Mensah (クリス・メンサー) が日時と場所を指定してくれました。私はポートフォリオを片手に、仕事の面接に臨むような気持ちで早めに会場に向かいました。彼はその日のうちに私の研修を始めたんです。すぐにタトゥーアートの習得に没頭しました。それ以来ずっと続けていますよ。

 

 

米国史上2番目に著名な黒人女性のタトゥーアーティストとして知られるようになったことについては、どのように感じていますか?

なんだか…変な感じですね。自分のキャリアで思いがけず起こったこの出来事を、把握して受け入れ始めたところなんです。その重大さを理解するのに20年かかりましたよ。いつもそのことについては積極的に話題にしてこなくて、つまり些細なこととして捉えてきました。人生を生き抜くためには、立ち止まって反芻する時間はありませんからね。私には分不相応なことだと思っていました。けど今では、小さなことにも大きなことにも感謝して、たくさんのことをじっくり考える時間を持つようになりましたね。

Imani さんにとってのタトゥーアートとは?

私にとってタトゥーアートとは、肌の上で語られるその人ごとの物語、心の物語なのです。Cee-lo Green (シーロー・グリーン) の『Big Ole’ Words (ビッグ・オーレ・ワーズ) 』という曲がありますが、彼はその中で「自分の信念は自分の肌に刻んである」と歌っています。まさにタトゥーはそういうものです。自己証明や感情的つながり、そして癒しを通した、アートな熟考とそれぞれが生きてきた人生の解釈です。

これまでに仕事をした中で一番印象に残っているタトゥーは?

一番印象に残っているタトゥーは、初めての和風の作品です。黒とグレーで、腕に入れたものでした。この仕事のおかげで自分の制作の過程を習得できましたし、日本に行って伝統的な刺青をもっと勉強したいなと思うようになりました。それで、日本で休暇を過ごすことになったんです。さらにその作品を通して、私自身がどんな制作過程を好んでいるかについても気付かされました。それは、タトゥーを入れる人にぴったり合うようにオーダーメイドで仕上げていくというものです。

 

 

Imani さんの自叙伝「Shoppe Gal」についても少し教えてください。

もちろん!「Shoppe Gal (ショッピー・ギャル) 」は私のデビュー作です。暗い部分に寄り添い対処法を生み出したこと、タトゥーアーティストになったこと、そして私が歩んできた「カワイイ」ライフについての青春物語です。単に出来事について書いてあるのではなく、自分自身の道を切り拓くとしている創造的で大衆に馴染めない人たちが、最高なことを成し遂げるためのロードマップとしての役割を果たしてほしいと思っています。

タイトルの「Shoppe Gal」は、私の見習い時代と、増田セバスチャンの「6%DokiDoki」の店員の女の子をもじったものです。偶然にも私は日本でフランス人が経営するタトゥースタジオで働いていて、「shoppe」というつづりは、はちさんとそのお店「Artemis Tattoo (アルテミスタトゥー) 」にちなんでいます。もちろん「gal」のつづりは、ギャル文化とファッションへの敬意を表しています。

最後に、父の死を悼みながらこの本を書きました。父との最後の会話が、私の経済的な目標についてだったので、この本が出版されたあとの私の目標を本書で明確に宣言することで、父へのラブレターとしました。

父に伝わっていると思います 🙂

健康や自己発見という要素は、マルチに活躍するクリエイターでいることにどのように作用しますか?

そうですね…健康や自己発見、自己受容は、感覚的なものです! 率直に言うと、簡単なものは何一つありません。だけど、手に入れる価値のあるものは、手に入れる努力をするに値します。私はタトゥーと「カワイイ」ファッションの世界に足を踏み入れ、傷つくこともあり、自己表現による癒しを求めていました。残念ながら、オルタナティブなコミュニティに参加する多くの人と同様に、こうした空間での私の経験上、「傷つけられた人は人を傷つける」ということが間違いなく起きます。私はそうした人にはなりたくありません。だから私は、自分の内面を見つめ直す時、「カワイイ」ライフに沿ったコンセプトを注入します。つまりそれは、優しさを引き出すこと、明るい心を持つこと、暗い部分や二面性を受け入れること、内面の柔らかさを見つけること、ベストを尽くすことなどです。

 

 

どうすればネガティブ思考に陥らず他人の意見を気にしないでいれますか?

オーケー、教えてあげましょう。秘訣があるんです。私を養うわけでも性的関係を持つわけでも融資してくれるわけでもない人なんて、どうでもいいんですよ。それだけ! それが秘訣です。おもしろいでしょう。

真面目な話、「他人の意見なんて気にするな」という人生訓を持って育ちました。一度も嘘をついたことのない、私のおばあちゃんの教えです。他人の意見が私のビジネスのためにならない限り、意見を求めたりはしません。そうすれば批判してくる人のことを気にする暇もなくなりますから。

言われて育った言葉でもう一つ好きなのが「半年間は他人の言うことをほっといて、もう半年間は自分のことを考えなさい」です。そうすれば丸々1年間、人の評価を気にすることなく自分と大切な人のことだけを大事にできます。

5年後の自分はどうなっていると思いますか?

5年後は結婚して、「カワイイ」クリエイターや都会の若者、新進アーティストをサポートする、億単位のビジネスを成功させていたいですね。LITTLE INKPLAY SHOPは、飛び入りで気軽に入れるタトゥースタジオ、カルチャーのハブ、そしてコミュニティの集いの場としてなど、多角的なビジネスが展開される場所にしたいです。ワシントン.D.C.のアイビーシティに根を下ろし、開拓していきますよ。

 

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Introduction and questions by Vania, translated by Chinatsu.
Images courtesy of Imani K. Brown.

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