IKUMI SS20 東京コレクション
IKUMI (イクミ) のSS2020 東京コレクション会場であるSPACE ODD (スペースオッド) に足を踏み入れても、これから何が起こるか、ほとんど見当がつかなかった。2人の不気味な女性の写真と、「幽霊」というこのコレクションのテーマ。これらが載ったチラシが唯一の手掛かりだった。しかしながら思い返してみると、この手掛かりはこれから起こることを明示していたのだろう。
わたしたちは紫外線ライトに照らされた、学校のロッカーでつくられた迷路を通り抜け、イベントスペースに向かった。いくつかのロッカー内にはぬいぐるみが置かれ、天井からは手足の欠けた人形がぶら下げられていた。そして地下へ向かう通路では子どもの叫び声が聞こえた。会場すべてが不気味で、このショーに最適な雰囲気がつくられていた。
KOM-I (コムアイ) による妖しいパフォーマンスでショーが始まり、モデルたちは幽霊が憑いているかのようにゆっくりとランウェイを進んだ。コレクションはオールブラックとオールホワイトのピースに二分され、同じデザインの服がそれぞれの色で登場した。モデルのピアスと同様に服もリングで装飾され、シルバーをアクセントとしていた。スケルトン柄とスリップドレスがこのコレクションの主要なモチーフだ。ショーをハロウィンをテーマにしたイベントだと思う人は少なくないだろう。もちろん、不気味ではあったが、ハロウィンイベントではない。実はこのショーはIKUMIの美学を表現したのだ。よりゴシックなエッジを効かせたい人が着やすく、簡単にコーディネートできるスタイルばかりだった。
Written by Choom, translated by Sachi.
Images courtesy of Ikumi.