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デコラからデコ電まで、DIYとサブカルチャーの関係

個人の創造的表現は、サブカルチャーファッションの神髄だ。時として、ファストファッションの服ではできない方法で、自分を表現したいことがあるだろう。だれもが同じブランド (ZARA、あなたのことですよ! ) で買っているとしたら、どうやって目立ったらいいのか? そのためサブカルチャーファッションのサークルでは、この問題と取り組むために、服とアクセサリーがよくDIYされている。

ここで言うDIYは、ブリコラージュ (フランス語でDIYの意) のコンセプトを指しているが、クロード・レヴィ=ストロース氏による人類学的概念では「手元にあるものを使い、新しい何かを創り出すスキル」を意味している。つまり、これは基本的にDIYのことだ。でも、そこには少しだけ深い意味合いがある。この場合、対象物だけでなく、意味にも手を加えるのだ。DIYすると、対象物に新たなイメージを与えて作り直すことで、自分のアイデンティティーを作り出せる。しかし、これが一体ファッションにどのように関係するのだろうか? あるやり方で何かを身につけると、その意味を変えることができる。その結果、自分の物語に意味を加えることができるのだ。安全ピンを例にとってみよう。これの目的は2つのものを1つに合わせことだが、パンクの手にかかると新しい意味を持つ。もともと物にこだわらずハンドメード品を使うパンクファッションでは、初め安全ピンは実用的に使われていた。つまり、バラバラになった服を直すためだ。しかし時間が経つにつれ、この小さなピンは、労働者階級のパンクたちの象徴的なシンボルとなっていった。

 

Image courtesy of kellycrawford1993 via Blogspot.

 

ほとんどのサブカルチャーでそうであるように、そのルーツはパンクファッションにある。多分、パンクと言えばDIYのリップドジーンズと、ルーズに安全ピンで留められた服を連想するだろうが、パンクムーブメントにはこれ以上のDIYがある。音楽制作会社を介した通常のプロセスを避けるため、パンクたちは自分たちで音楽を制作し流通させていたのだ。パンクのためのパンクによるアンダーグラウンドメディアが作り出されたが、これによりアーティストたちは自分とそのルーツに忠実でいられた。個々の表現を別にして、DIYが意味したのは貧富にかかわらずだれでもパンクを楽しめることだった。パンクは英国の労働者階級で人気があり、DIYの本質は収入の額にかかわらずだれでもこのムーブメントに参加できたということだ。限られた予算で、すべてのコーディネートを作り出すことができたのだ。この例から、DIYは服を作り変えるだけにとどまらないことが分かる。これがサブカルチャーの理想を築き上げる基盤を作り上げた。

サブカルチャーのファッションとムーブメントが海外に広がると、DIYも同様に拡散された。デコラファッションでは、DIYの最もすばらしい例を見ることができる。デコラファンは若く、ほとんどが17歳までのティーンで、そのため高いものを買うお金がなかった。彼女たちにかかると、100円ショップは突然アクセサリーショップになる。ステッカーからバンドエイドのまで、すべてがデコラファッションのコーディネートに合うように作り変えられた。それらは、デコラファッションの子どもっぽさと遊び心のエネルギーを表現するものになった。2004年のギャルたちにとっては、ポケベルとガラケーの出現は、DIYの可能性をさらに広げた。デコ電 は、別の創造的表現だった。キラキラの飾りや石で覆われた電話は人気を得て、ギャルの定番としてファッションの一部となった。なんでもキラキラにしなきゃね!

 

Image courtesy of Tokyo Fashion.

 

ステッカーと電話をブカルチャーのファッションとライフスタイルの重要な部分と考えるのは奇妙に感じられるかもしれないが、これらのDIYの作品は個人の物語に深く根ざしている。なので、だれかがサブカルチャーファッションをまとって「わたしはこの服で自分の創造性と個性を表現している」と言葉で伝えたときに、私たちはその服でその人の物語全部を目で見ることができるのだ。近年、DIYカルチャーはそれほど流行らず、古着や新しい服を買うことに関心が寄せられている。これは個人の表現と物語という側面を損ねるだろうか? そんなことはない! 既製の服とアクセサリーは、メーカーの意図していなかった着方やつけ方をされることがある。それに他のものとの組み合わせることで、アイテムの意味が変わることもある。サブカルチャーの神髄はルールを覆すことだ。そしてDIYはものを一から作ることだけを意味しているのではない。これは何かを再利用し違う何かに作り変えることだ。これがファッションというものだ!

時が経ち、かつては愛情をこめて作られたものが、オンラインで購入できるようになった。GoogleやEtsyで検索すれば、数多くの結果が瞬時に見られる。近頃では、自分のアイデンティティーを、ボタンのクリックだけで選べるのだ! 安全ピンからステッカーまで、何かを身につけることで本当の自分を表現できる。あなたは何を着ますか?

 

Written by Choom, translated by Toshi.
Image courtesy of girlschannel.net

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