Vol 5 Iss 1.2 JP

個人の創造的表現は、サブカルチャーファッションの神髄だ。時として、ファストファッションの服ではできない方法で、自分を表現したいことがあるだろう。だれもが同じブランド (ZARA、あなたのことですよ! ) で買っているとしたら、どうやって目立ったらいいのか? そのためサブカルチャーファッションのサークルでは、この問題と取り組むために、服とアクセサリーがよくDIYされている。 ここで言うDIYは、ブリコラージュ (フランス語でDIYの意) のコンセプトを指しているが、クロード・レヴィ=ストロース氏による人類学的概念では「手元にあるものを使い、新しい何かを創り出すスキル」を意味している。つまり、これは基本的にDIYのことだ。でも、そこには少しだけ深い意味合いがある。この場合、対象物だけでなく、意味にも手を加えるのだ。DIYすると、対象物に新たなイメージを与えて作り直すことで、自分のアイデンティティーを作り出せる。しかし、これが一体ファッションにどのように関係するのだろうか? あるやり方で何かを身につけると、その意味を変えることができる。その結果、自分の物語に意味を加えることができるのだ。安全ピンを例にとってみよう。これの目的は2つのものを1つに合わせことだが、パンクの手にかかると新しい意味を持つ。もともと物にこだわらずハンドメード品を使うパンクファッションでは、初め安全ピンは実用的に使われていた。つまり、バラバラになった服を直すためだ。しかし時間が経つにつれ、この小さなピンは、労働者階級のパンクたちの象徴的なシンボルとなっていった。   Image courtesy of