PPEを着た悪魔
お聞きになりましたか? ソーシャルディスタンスが2020年の新たなトレンドになっているとか。今年のシグネチャーカラーはレッドとブラック。輝かしい新たな10年になるはずだった最初の年の恐怖と絶望を強調している。フェイスシールドはサンバイザーとしての役割もあり、太陽と紫外線からわたしたちを守ってくれる。オゾン層? 彼女は誰? もし、人々が未だにルールを守らないのなら、毒を持った動物をアクセサリーにして身につけよう。わたしたちが選んだのはヘビ。これで2メートルの距離を保てなければ、もう何をしたら良いのか分からない! Model: @mama_loh Model wears: @with_loh Photographer: @choom.online Assistance: @anna.boat.prem Written by
トレンドレポ: 奇妙な美しさ
確かに、オルタナティヴビューティー (型にはまらない美しさ) は黒いマニキュアを塗って学校に通う女子高生時代から長い道のりを歩んできた。(ところで、これは決してわたしのことではないので! ) 今日、メイクはジャンルや性別を拒むものとして分類されていない。メイクは不気味、セクシー、フェミニンかつ男性的、ヴィンテージかつ未来的であると言える。Instagramのお陰で、オルタナティヴビューティーへのインスピレーションの源は尽きることがない。また、#strangebeautyのようなハッシュタグのお陰で、以前よりも簡単に検索することができるようになった。わたしたちの最新トピックをぜひチェックしてください! Image courtesy of @all_knowing_nothing via Instagram. TKM 素直に認めよう。『RuPaul’s
オトナ向け
時々、心の奥底にある願望が、最も暗い秘密になることもある。ラテックス、コルセット、物憂げな照明が言わずと知れた、赤線地帯へようこそ。マダムCが長い廊下を通って奥の部屋へと案内してくれる。ピンヒールが音を立て、足取りは落ち着いて自信に満ち溢れている。赤いベルベットのカーテンを引いて、最も暗い欲望を抱きしめて。あなたの秘密は守るから。 Model: @choom.online Model wears: @micocouturelatex Photo editing: @anna.boat.prem Written by The COMM, translated
ぼやけた境界: 変わりゆく美しいフェイス
Elaine Scarry (エレイン・スカリー) さんは『On Beauty and Being Just (美と正義について) 』で美は人々を喜ばせると述べている。美しい顔を見て感動することで、人々はその顔を再現、所有、保護することを強制される。アート
Nafrayou
フランス生まれのジュエリーデザイナーでモデルでもあるNafrayou (ナフラユー) さんは、その創造力が高く評価されている。黒、白、スタッズの装飾、そして革などで構成された彼女のスタイルは闇と危険を表しているが、彼女の日本のストリートファッションの軌跡には、6%DOKIDOKIとの関わりがあったと知り驚くだろう。わたしたちは、Nafrayouさんにファッション、型にはまらない美しさ、金よりも貴重だと言う歯についてお話を伺った! 自己紹介をお願いします。 こんにちは。フランスのモデルで、前衛的なハイファッション愛好家、Nafrayouです。 わたしのブランド、TRUE LIES (トゥルー・ライス) のジュエリーデザイナーで、ショッピングやコンシェルジュサービスも提供しています。ファッションと美容業界で10年以上働いています。 日本のストリートファッションに最初に出会ったのはいつですか? かなり昔、初めて日本に旅行した時にカワイイとピンクのスタイルに出会い、夢中になりました。様々なスタイルを発見しました——ヤマンバ、ガングロ、姫、ロリータのようなカラフルなもの。一方で、ヨウジヤマモトやイッセイミヤケなどのブランドの前衛的な要素が施されたとてもシックでクラシックなスタイルもありました。日本は美意識が非常に高いです。それは無限にあるスタイルと無限にある自己表現の形の開放と言えるでしょう。 6%DOKIDOKIワールドツアーに参加されていましたね。ツアー中どのように過ごされたか教えていただけますか? はい、確かに親友の一人、Princesse Pudding (プリンセス・プディング) と一緒に参加しました。6%
考察: 不気味なものが好きっておかしい?
友だちが犯罪ドキュメンタリーに (ほとんど病的に) ハマっていたら心配するべき? ホラー映画の流血シーンは楽しむべき? たじろぐべき? 「これヤバいって!」なんて叫んだりもするが、内心はゾッとする感じを味わいたくてたまらない。「不気味」なものとは、定義によれば、気持ちを落ち着かなくさせたり、不快な恐れの感情を引き起こしたりするものだ。「目が死んでいる」ような人だったり、『キャッツ』(2019) の全キャストだったりする。魅力的なものに、ゾッとさせられることもある。では、なぜわたしたちは不気味なものが好きなのだろうか。 多くの心理学の専門家が、人間はぎょっとするようなものを見たときに起こる感情のほとばしりを強く求めていると認めている。恐怖は闘争・逃走反応を引き起こし、それが体内のアドレナリン放出、つまり感情のほとばしりを引き起こすのである。人間はひそかにスリルを求める存在なのだ。ジェットコースターに乗ってドキドキしたり、ホラー映画を観て心臓が跳ねたりするのも大好き。おそらくこういったスリルに病みつきになっている。なぜならそこに本当の危険はないと知っているから——ジェットコースターには安全性テストが行われているし、映画の殺人鬼は役者だ。同様に、インターネットでなにか不気味なものを見たときも、わたしたちはアドレナリンの上昇を経験する。 『リング』、『呪怨』、『オーディション』 ——日本は素晴らしいホラー映画で有名だ。 また心をかき乱すようなものは、無意識の欲求や恐怖症を活性化させる。血は暴力に惹かれる気持ちを、殺人や幽霊は死への恐怖を駆り立てる。日常ベースでは、これらの話題について論じることはおろか考えることすらないが、例えばホラー映画を観ると、気持ちを揺さぶられる。現実離れしたこの体験は、暗い話題について安全な領域で思いを巡らせるきっかけになる。 『リング』、『呪怨』、『オーディション』——日本は素晴らしいホラー映画で有名だ。不気味なトーンは特定の日本のストリートファッションでも見られる。ステレオタイプの「カワイイ」に飽き、疲れ果てた90年代の若者たちは、カワイイの正反対となるような新しいスタイルに向かった。それが「グロかわいい」と「キモかわいい」だ。「グロかわいい」のマスコット的存在は「グル〜ミ〜」。血まみれのイラストキャラクターで、人間を食べることしか頭にない。「キモかわいい」はブサイクで変てこなバージョンだ。必ずしも怖いとか、血まみれである必要はなく、「美しくない」ということにフォーカスしている (ぐでたまのおしりや『こびとづかん』のコビトたちなど) 。「グロかわいい」と「キモかわいい」によって、可愛いらしさとゾッとする感じの対立にわたしたちは遭遇する。2010年代には「病みかわいい」がここにメンタルヘルスの視点を加える——手首に傷のあるキャラクターや、錠剤と注射器柄のグラフィックTシャツは、新たな「不気味」であった。 「グロかわいい」、「キモかわいい」、「病みかわいい」は全て、不気味さの様々な様相をめぐるサブカルチャーファッションだ。「病みかわいい」は今もわたしたちの暗い部分に訴えかけてくるが、「グロかわいい」や「キモかわいい」と違って、流血や一般的な美的感覚に反する要素は必ずしも含まない。最新の「クレイジー・ジャパン」のトレンドを掴み、「Refinery29」や「Business of
Yulia Shur
闇は奇妙で異世界的かもしれない。Yulia Shur (ユリア・シュール) さんは写真にその2つを見事に包含させている。Yuliaさんは『i-D Japan』、『MUSE』、Thom Browne (トム・ブラウン) 用に写真撮影を行った。でも、このベラルーシ共和国生まれで東京に拠点を構えるビジュアルアーティスト兼アートディレクターは写真を撮るだけに収まらない。セルフポートレート、幻想、無意識下の想像そして「毒された美」を通じて写真の限界を広げている。Yuliaさんは恐れることなく、自身の目に本物として映っているものを画像にし、その結末はいつも同じ——絶えず揺り動かされる感情と反応だ。奇妙、不快、霊妙——何とでも言うがいい! 誰もがYuliaさんの作品を気に入るわけではないが、偉大な芸術の始まりとはそういうものでしょう? 自己紹介をお願いします! わたしはYulia Shurです。ベラルーシ共和国出身のアートディレクター、写真家兼ディレクターで、東京に拠点を構えて4年になります。 写真への情熱を持ったのはいつですか? 写真に興味が芽生えたのは15歳のときでした。みんなはコンピューターゲームで遊んでいましたが、わたしは自分でPhotoshop
syke
好奇心が強く、未開の地を探索したいと思うのが人間というものだ。暗くて不気味な廊下をわざと歩いているとき、わたしたちは危険を味わえることに胸を躍らせる。懐中電灯が壊れたらどうしよう! アドレナリンが出て、心臓がドキドキして、背中がゾクゾクする——Skye Harrell (スカイ・ハレル) はわたしたちをホラービデオゲームでスリル満点のジェットコースターの旅に連れて行ってくれる。でも、予想外の展開に気をつけて。過剰な好奇心は身を滅ぼすかもしれないから。 Model: @_s_y_k_e_ Photographer: @sparkledeath_syra Shoot direction: @_s_y_k_e_ @sparkledeath_syra Written
Beauty Call: Ruu
美は見る人によって異なると言われている。明るい、カラフル、この世のものとは思えない、素晴らしい…日本のストリートファッションのコミュニティーは、メイクで日々自分自身を変える多くのクリエイティブたちのふるさとだ。花のスタンプやネオンリップ、またはヤバイ跳ね上げアイライン? メイクは美を変化させ、美を再定義する。ビューティーコールではわたしたちのコミュニティーのニューフェイスを紹介する。 こちらはRuuさん。メイクと原宿の ストリートファッションの愛好家です。 自己紹介をお願いします。 初めまして、メキシコのRuu (ルウ) です。23歳で、メイクと原宿ストリートファッションが本当に大好きです。 メイクの世界に入ったきっかけは何ですか? 6年ほど前に、ハロウィーンをテーマにしたメイクから始めました。その後、日本のロックバンドに興味を持つようになってから、原宿のファッションにハマって、そこから自分のスタイルが生まれました。 今日のメイクをどのように表現しますか? 自分のスタイルは「白塗り」と「エログロ」の融合だと思います。 Ruuさんにとって美とはどのようなものですか? わたしにとって、美とは見るだけで気持ちや感情を引き起こすアートだと思います。その完全性は細部にあります。 Instagram Translated by Anna. Images courtesy of Ruu.
Remon
Remon (れもん) さんのダークでドリーミーな美的センスは、群衆の中で彼女を際立たせている。彼女の髪は半分レッドで半分ブラック、そしてチョーカーリング、フィッシュネットタイツ、ブラックのフリルを身に付けている——Remonさんは、ゴスやパンクと「カワイイ」の組み合わせるのがとても上手。しかし、Remonさんはファッションステートメントであること以上に、特別な雰囲気を持つ。彼女は誰もが気づかずにはいられないクールガールなのだ。Remonさんに、自分自身のスタイル、ストリートファッションガールとしての存在、そしてアニメをテーマにしたInstagramについて聞いてみた。 自己紹介をお願いします。 Remonです。赤黒パンクとゲームが大好きです。 ご自身のファッションをどのように言い表しますか? それは時間とともにどのように変わりましたか? 私のファッションはゴシックな要素とパンクな要素からなる「ゴスパンク」と言われるジャンルなのかなと思います。パンクファッションの刺々しさの中に甘さがあり女の子らしさも持ち合わせていて、私にとって戦闘服のようなファッションだと思っています。 このファッションに目覚めてからもう4、5年近く経ちますがゴスパンクというジャンル的には変わらずここ1、2年で「赤と黒」の2色を密かに自分の中のドレスコードに決めてお洋服を選ぶようになりました。 ストリートファッションガールとして、原宿のコミュニティーの一員であることは、れもんさんにとってどのような意味がありますか? あまり意味について考えた事はなかったです。元々私は大好きなお洋服を着て大好きな原宿に来てその中でお友達とわちゃわちゃするのが楽しくて好きなだけだったので。 でも、ストリートスナップだったりSNSを見てくれる方が凄く嬉しい事に沢山増えてきて。私の好きなこのゴスパンクなファッションを発信して、魅力を伝えたいと思っています。 今号では、ゴシックロリータやトラディショナルゴスなどのストリートファッションを特集しています。これらのスタイルは原宿の典型的な「カワイイ」イメージに合うと思いますか? ばっちり合ってるのではないでしょうか! 原宿の「カワイイ」を支えてきたのはカラフルなファッションやロリータファッションだけでは無いと思っています。明るいファッションだけではなく、ゴスロリやゴシックなファッションなどの暗く何処か闇を感じるようなストリートファッションも原宿の「カワイイ」を支えてきたスタイルの一つだと思います。今も昔も変わらず根強く人気のあるファッションジャンルですし、ゴスロリやゴシックファッション、ゴスパンクも原宿の「カワイイ」イメージには合うと思いますし必要不可欠なモノだと私は思います。 漫画の吹き出し、アニメのスチル画など、れもんさんのInstagramにはアニメと漫画から影響を受けたイメージがあふれています。これらのイメージを自分のInstagramに取り入れている理由を教えてください。 私が元々アニメや漫画といったいわゆるサブカルチャー的なコンテンツが凄く好きで、これをInstagramに取り入れたら可愛いなと凄く単純な考えで始めました。そこまでコラージュも凝ってないですし、吹き出しの文とかはその時共感した物やその写真のイメージに合うモノを選んでるだけです。 ただ、私のフォロワーさんが海外の方が凄く多いので原宿ファッションや日本文化が好きな方達が見たときに目に止まりやすい様にとかは意識したりしています。 Remonさんにとって頼りになるファッションブランドを教えてください。 KILLSTAR (キルスター) はダントツで好きです。ゴシックからハードなパンクまで幅広くアイテムを取り揃えているので。身体のラインも凄く綺麗に出るデザインが多かったり私の好みドンピシャです。 後はかつて原宿を支えてきたブランド…とか ALGONQUINS (アルゴンキン) やPUTUMAYO