文化祭
「文化」 (文化服装学院、文化学園大学、文化ファッション大学院大学、文化外国語専門学校が含まれる) は毎年学園祭を開催している――しかしこれは、他にはない学園祭だ。3日間にわたり、学生の渾身の作品と、大学の学科の設備を紹介する。大学のビルの各階で、学生による学年・学科ごとの展示や、教員が案内する学科のワークショップとツアー、そしてメインイベントのファッションショーなどが行われている。 ショーは文化服装学院の学生によって企画されており、コレクションを創り出すのはデザインの学生たちだ。関連学科のクラスメートの助けだけでなく、生地を提供してくれる個性的なスポンサー企業のおかげで、素晴らしい衣装が制作される。 この3日間の華やかなショーは一般にも公開されているので、ぜひご自身の目で確かめてみてください! 新宿に向かってみると、文化服装学院に近づけば近づくほど、おしゃれな若者の数が劇的に増えてきた。「文化」の学生のファッションは、若くても落ち着いていて、入念に選ばれたものだ。これらの FENDI (フェンディ) と古着を着た人たちが20代だとは思ってもみなかった。 「ネオ・トラッド」で特集した優さんのおかげで、わたしたちは最前列の特別席に座ることができた。優さんはショーで披露されたコレクションのひとつを担当していた。高くせり上がったランウェイと、専門的な照明のセッティングは、本物のファッションショーのようだった。今年のテーマはInstagramで説明されている「@?」。 「@=atは位置を表す前置詞です。今の時代SNSは、私たちのもう1つの居場所と言えるでしょう。ご来場の皆様には「リアリティ」や「人間性」を感じてもらいたいと思いこのテーマにいたしました。」 (bunka_show_official公式Instagramより) ショーで撮った写真をチェックしてみてください! フル動画はこちらからご覧ください。 素晴らしいショーの後は、優さんが案内をしてくれた。それぞれのコレクションの生地がどのように選択されたか、テーマの内容は何かを、当事者の視点から説明してくれた。各コレクションにどれだけの作業や準備が費やされているのか、教えてもらうのはとてもおもしろかった。学生の大多数は20代で2年生なのに、素晴らしい技術力を持っていることにも驚いた。 それから、様々な販売ブースと、学生や教員による展示を見ながらキャンパスを探検した。あまりに多くて、すべてを見るわけにはいかなったけれど。展示やワークショップは各教室にあった。衣類に関わるテクノロジーの学科を偶然見つけたのだが、先生がわたしたちを案内してくれた。衣類を作るのにどれだけの調査や科学的研究が必要なのか、おもしろくて目を見張るものがあった。例えば、生地が気温の変化に対応するか、着るとどのように体に影響を及ぼすのか、理解するために研究機関では実験が行われている。スポーツウェアからユニクロのヒートテックのコレクションまで、基本的だが不可欠な暖かい衣類を作るのに、どのくらいの努力が関わっているのか、忘れてはならない。 在学生の作品を見ることも、学園祭のハイライトとなった。「文化」の学生には、靴、ニットウェアまたはアクセサリーなど、特定のアイテムに注力する機会がある。展示された作品の水準はとても高かった――技術的に見て完璧なだけでなく、デザインの想像性も高かった。撮影禁止なので、残念ながら写真は撮れなかったが、信じてほしい! わたしたちは数時間しか過ごせなかったが、もし文化祭が行われる時期に東京にいることがあれば、訪れてみてほしい! 「文化」には、必ず大きなインスピレーションを与えてくれる、若いクリエイティブがあふれている。
ザ・パフォーマー
あらゆる分野で活躍するクリエイティブな人々が、楽しく過ごし、お互いの作品を褒めたたえるために、渋谷の EDGEof で開催された ON-1 Collective (※) のイベント「Vol. 6」にどっと押し寄せた――来場者として、もしくはパフォーマーとしてだ。「Amazon Fashion Week
ザ・ランウェイ
ON-1 Collective (※) のイベント「Vol. 6」のために、『The COMM』が準備したファッションショーを観てください!全方位カメラを持ってランウェイを歩くモデルたち—ファッションとテクノロギーの素晴らしい組み合わせですね! ショーを観られるだけではなく、まるでショーの一部になったかのように感じられるでしょ! ※ON-1 Collectiveはメディアプラットフォームで、東京に活動の拠点を置くクリエイティブなコミュニティーを毎月紹介するイベントです。
ザ・モデル
ON-1 Collective (※) のイベント「Vol. 6」での、『The COMM』のファッションショーは、Vol. 1 に登場したすべてのテーマの総まとめとなった。様々なファッションを1つのショーに集めることで、『The COMM』を完璧に表現する――コミュニティーのファッションの多彩さを披露するのだ。モデルたちは個性的なスタイルで第1号から第6号までのテーマを体現した。コーディネートを分析しながら、それぞれを再び紹介しよう。 ※ON-1 Collectiveはメディアプラットフォームで、東京に活動の拠点を置くクリエイティブなコミュニティーを毎月紹介するイベントです。 ちゃみ ショーの幕開けは、第3号「『カワイイ』革命」から、ちゃみさん。彼女の色鮮やかなコーディネートは、ショーのスタートにぴったりだった。足を踏み出した途端、会場中のケータイが向けられた。 大きいグラフィックがあしらわれた、ほとんどがピンク色のコーディネート。黄色いタイツと、透け感のあるホログラフィックジャケットを合わせた。そして髪には、たくさんのリボンとヘアクリップ、他にもカラフルなアクセサリーを奔放に飾った。偶然の取り合わせのようにも見えるが、それぞれのアイテムが、テーマや全体のトーンにぴったり合っていた。 ちゃみさんについてもっと詳しく知りたい方は、第3号
ザ・イベント
なめらかな着物、ネオンラテックス、パステルカラーのビロード。どこへ行っても色彩や手触り、音で感覚が満たされる。まるでお菓子屋さんにいる子供みたい――「きれい」というキャンディに目移りしている。カワイイやレトロ、サイバー、スケーター、パンク
編集長からのメッセージ
ようこそ! 『The COMM』Vol. 2 (第1号) です! ご無沙汰してしまいましたが、再始動した『The COMM』は2019年の活動に向けてウズウズしています! 今年は去年より更に大きなスタートを切るべく、お気付きの通りウェブサイトを大幅に改善しました。去年と同じく、注目のゲストやコラボレーション企画といった素晴らしいコンテンツの提供に全力を注いでいきますが、今年はスケールが違います! フォトシューティング、寄稿文に動画コンテンツ、ほかにも注目すべき企画がいっぱい。どうぞお見逃しなく! 今号は、インスピレーションが湧き上がる最初の場所へコミュニティーを立ち返らせます――そう、ランウェイです!ランウェイにモデルが歩み出た瞬間に感じる興奮。新作コレクションをいち早く目にできるという期待感が空間に溢れ、音楽、照明、そして洗練されたポージングが、ショーを一気にパフォーマンスへと変貌させます。 モデルと観客、双方の経験があるわたしが、ランウェイがどれほどワクワクするものかをお伝えしましょう。舞台裏では、デザイナーたちはその年の――または人生の!――集大成を披露することに神経を尖らせており、モデルたちはとにかく堂々とランウェイを歩ききる決意を固めています。メイクアップアーティストやヘアスタイリストたちは、身長180センチのモデルの脇でつま先立ちをしながら、頬にチークをはたいたりと、ぎりぎりまでディテールにこだわっています。体内を駆け巡るカフェインが無ければ、持ちこたえられないでしょう。 観客の心を盛り上げているのは期待です。何を観せてもらえるのか?何に心を奪われるだろうか?何が印象に残るか?ショーはそれほど長くないかもしれませんが、その一瞬のインパクトがクリエティブな若者の考えに大きな影響を及ぼします。例えば、将来どのようなプロジェクトを展開していくか。デザイナーは誰でも、自分のコレクションを作りたいと思わせたアイテムが、 どの年の、どのコレクションの、どんなアイテムだったか、語ることができます。ランウェイという存在は、ファッション界は1分では変えられないという考えを真っ向から否定するのです。 もちろん、ランウェイはハイブランドだけのものではありません。大学におけるショーでは毎年、ファッションを専攻する学生たちがランウェイを激しく揺さぶります。業界の型にはまらず、純真さを失っていない、荒削りで斬新なその才能で。 それから