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FASHION TECH WEEK TOKYO (ファッションテックウィーク東京) はON-1 Tokyoが手掛ける2日間のイベントで、東京で活動するクリエイティブたちの祭典だ。このイベントではDJから独立系のファッションデザイナー、そしてもちろん『The COMM』に至るまで、様々な才能が紹介される。     わたしたちのセットは19時から、DJ Andres Coco

日本のブランドのリトゥンアフターアワーズ (writtenafterwards) の今季のテーマは「フローティングノマド」。ショーのタイトルは「アフターオール」で、何かに縛られたり、囚われたりしない、ゆらゆらと自由に揺れる雲のような綿素材やボリューミーなシルエットを使用することで、浮遊感を表現した。コレクションは、このブランドのトレードマークカラーの赤、白、黒で展開された。この色は、神道の影響を表すことから選ばれたものだ。神道的な実践と自然の要素である空気の美しいコラボレーションが、この世のものとは思えない優美さを演出していた。 上野恩賜公園で行われたリトゥンアフターアワーズのコレクションは、月が昇ると同時に始まった。モデルたちは黒いビニール袋のようなものを身に纏い、裸足で噴水広場の中央を歩いた。最初は不気味に感じた音楽も、激しい木枯しにより次第に掻き消されていった。 ショーの最初の三分の一は赤、次に黒、そして最後は白で彩られた。モデル達はキビキビと軽快な足取りで歩き、衣装は風を捉え、ランウェイの上でゆらゆらと揺れていた。そのルックスは間違いなく前衛的で、全く型にはまっていなかった。ヘッドピースはどれもオーバーサイズで、モデルたちの視界を度々遮った。ドレスは布を重ねたアシンメトリーなデザイン、袖は穴の空いた布で装飾され、私たちの意表を突いた。自然からインスパイアを受けた着ぐるみ (1つは大きくて汚れた雲、もう1つは、草と泥が混ざったもの) もモデルと共に登場。着ぐるみの演出は、見るだけでワクワクさせるだけでなく、今季のコレクションの特徴的な素材を披露することが目的だった。 神道と自然は、伝統的な柄や花柄でそれぞれ表現されることが多いが、幾重にも重なった布の上に、フリルやレイヤーを更に合わせることで生み出された不協和音により、新たな命が吹き込まれたのだ。今季のコレクションはドラマティックで実験的でもあった。リトゥンアフターアワーズが次のショーでどんな世界を見せてくれるのか今から楽しみだ!     Written by Choom, translated by Michiyo. Images

11月、今年もまた文化服飾学院は門戸を開き、ファッション、ポップアップショップやパフォーマンスを有名なファッションフェスティバルで披露した。昨年の文化祭に参加したわたしたちは、今年の文化祭にもとても期待していた。 どのコレクションも生徒たちのグループが制作したもので、さまざまなスポンサー企業ついている。生徒は全員、ショーの局面すべて——コレクションそのものからモデルのキャスティング、フィッティング、音楽やリハーサルまで——に関わっている。制作はすべて生徒が行っている——なんとステージまで! この工程はプロのファッション業界に入るにあたって、最高の練習だ。ショーの企画長は、今年のテーマ『ten』によって共同と一体感が表現できたと語った1。本当に、ファッションはどこをとってもコラボレーションなのだ! ショーのハイライトにはコントラストが強い青、赤、白のカラーブロックのアウトドア用品もあった。富士山を登るのに最適だ! それに加えて、ウクライナの民族服が何枚ものレイヤーと、深い赤と緑のフリルでアップデートされて再登場した。西洋風の美しさと日本のデザインを披露するには最適な方法だ。 ファッションショーの他に、生徒が運営するポップアップショップでは生徒がデザインして共同制作した作品が販売されていた。文化服装学院の生徒すべてがファッションデザインを勉強しているわけではない——自身のショップを開くことを夢見る生徒もいる。なので、自分でポップアップショップを立ち上げ、セレクトショップのバイヤーとしてふるまう生徒も見られるのだ。そういった生徒のポップアップショップには、独特の雰囲気を醸し出すよう厳選された服とアクセサリーが集められる。もちろん、それぞれのブースはその雰囲気に合わせて変わる。CHICKS! (チックス) のブースは丸ごと1990年代と2000年代のスタイルの服で占められ、この時代のモチーフだったピンクの蝶で飾られていた。BRAIN DRAIN (ブレーン・ドレーン) のサイバー風ファッションブースはテクノロジーから着想を得たコレクションにぴったりだった。 わたしたちは3日間開催される文化祭の1日しか出席できなかった。文化祭には素晴らしい作品が展示されていて、東京から排出される次世代のクリエイティブな人たちが何を生みだすのか、楽しみだ!     Written by Choom,

そう、カップルが夜にコソコソと隠れて入って行くようなホテルのこと。ではなく——東京で超オススメのイベントについて紹介しよう! TOKYO LOVE HOTELS (東京ラブホテルズ) は、東京にいるクリエィティブな若者が、音楽やファッション、アートを通じて自分を表現する場として、毎月スペースを開放している。今月のテーマはハロウィン。わたしたちは仮装でバッチリキメて、この東京で最もホットなパーティーに参加した! その夜のDJのラインナップは、Dat Smoody (ダット・スム―ディ)、Samantha Mariko (サマンサ麻里子)、

アルゼンチンのデザイナー、Santiago Artemis (サンティアゴ・アルテミス) は最近、東京のアルゼンチン大使館で最新の作品を展示した。今年初めに行ったインタビューでは、自信に満ちた大胆なデザイナーであるSantiagoさんは「東京でコレクションを展示したいと思います」と語った。その夢が早くも叶ったようだ。今回のコレクションは、彼の主なインスピレーションの1つ、カルトメロドラマ『Dynasty (ダイナスティ) 』の二大富豪間の確執と80年代のファッションのストーリーを、形を変えて物語ったものだった。肩は大きく力強く、ドレスのトレーンは長い。そしてもちろん、スパンコール! スパンコール生地ほどドラマチックな生地はないでしょ?——Santiagoさんは「ドラマ」のために生きる。タータンチェックのドレスとハイヒールブーツで背筋を伸ばして立つ彼は、まるでプロのようにモデルたちとポーズをとった。Santiago Artemisさんは注目すべき新進デザイナーだ。今後のNetflixドキュメンタリー『No Time for

IKUMI (イクミ) のSS2020 東京コレクション会場であるSPACE ODD (スペースオッド) に足を踏み入れても、これから何が起こるか、ほとんど見当がつかなかった。2人の不気味な女性の写真と、「幽霊」というこのコレクションのテーマ。これらが載ったチラシが唯一の手掛かりだった。しかしながら思い返してみると、この手掛かりはこれから起こることを明示していたのだろう。 わたしたちは紫外線ライトに照らされた、学校のロッカーでつくられた迷路を通り抜け、イベントスペースに向かった。いくつかのロッカー内にはぬいぐるみが置かれ、天井からは手足の欠けた人形がぶら下げられていた。そして地下へ向かう通路では子どもの叫び声が聞こえた。会場すべてが不気味で、このショーに最適な雰囲気がつくられていた。 KOM-I (コムアイ) による妖しいパフォーマンスでショーが始まり、モデルたちは幽霊が憑いているかのようにゆっくりとランウェイを進んだ。コレクションはオールブラックとオールホワイトのピースに二分され、同じデザインの服がそれぞれの色で登場した。モデルのピアスと同様に服もリングで装飾され、シルバーをアクセントとしていた。スケルトン柄とスリップドレスがこのコレクションの主要なモチーフだ。ショーをハロウィンをテーマにしたイベントだと思う人は少なくないだろう。もちろん、不気味ではあったが、ハロウィンイベントではない。実はこのショーはIKUMIの美学を表現したのだ。よりゴシックなエッジを効かせたい人が着やすく、簡単にコーディネートできるスタイルばかりだった。     Instagram Website Written by

バンクーバーファッションウィークでデビューを果たした「GLOBAL FASHION COLLECTIVE (グローバルファッションコレクティブ) 」は、多様性に溢れる開かれたファッション界を目指し、世界中のファッション都市で、他では見られないファッションショーを企画するプラットフォームだ。 東京ファッションウィーク2020年春夏では、新進の6ブランドが1つのショーで紹介された。ラインナップは、Haus Zuk (ハウス・ズック)、Ryan Li (ライアン・リー)、Morph8ne (モルフィン)、GAIROJU

今年のメンズウェアコレクションのテーマは「当惑」だった。大量の調和しないプリント、絞り染め模様、迷彩柄、ペイズリーやストライプ。このエキセントリックな組み合わせはたくさんの驚きをもたらすために作られたのだ! しかし、これだけでは終わらない——CHILDREN OF THE DISCORDANCE (チルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンス) はテクスチャーにも遊びを加えた。びりびりのデニムと裾のほつれた服に、ごつごつ、ずっしりしたチェーンネックレスを組み合わせたのだ。コレクション全体を通して、シンプルなシルエットと、無秩序なモチーフで彩られた流行中のピースのコンビネーションが披露された。「不調和 (DISCORDANCE)」——ブランド名を実践したのだ。     Written by Choom,

ステージは美しく感動的な装飾が施されていた。ショーの前日、松井のインスタレーション「水鏡」が公開された。ガラスのインスタレーションは水滴のような形をしていて、天井からぶら下がっていた。でも、この水滴は想像するようなデリケートで小さなものではない。風が吹くとウィンドチャイムのような音を奏でる。床の上の服は手縫いされているところだった。わたしはそれをショーの一部だと思って遠くから見ていたのだが、すぐに近くで服が縫い合わされていくのを観るよう促された。 翌日がファッションショーの当日だった。会場が小さかったため、観客はショーを間近に見ることができた。ランウェイは青やインディゴに染められた布の海に囲まれた白いシャツだった。モデルたちの髪はあたかも雨に降られたかのように濡れていた。ショーピースは流線的で実用的だ。雨を模して、アイテムの裾はアシンメトリーで丸いものが多かった。服の機能性は、釣り人のようなシルエットのシンプルなフィッシングベストとウェーダーを見れば伝わるだろう。     Written by Choom, translated by Sachi. Images courtesy of Choom. Click here