『アダムス・ファミリー』: 水曜日生まれの子は不幸
Charles Addams (チャールズ・アダムス) は米国ニュージャージー州で育ち、父から絵を描くよう勧められた。地元の墓地を散歩するのが好きで、雑誌 『True Detective (トゥルー・ディテクティヴ)』 のレイアウト部門に就職した。Addamsに関しては多くの噂があったが、ほとんどが不気味なものだった。棺桶の中で眠るとか、家にギロチン台があるとか、オリーブの代わりに眼球入りのマティーニを呑むとか。しかし、これらの噂の出どころはわからない。実はこれが、Addamsが作りだしたダークなキャラクターにいくらかの信ぴょう性を与える結果につながった。彼を知る人によると、Addamsには比類のないユーモアのセンスがあり、どこかUncle Fester (フェスタ―おじさん)
「地獄のプリンセス」Lornaに聞く、ヘヴィメタルとK-POPとタトゥー
ヘヴィメタルとK-POP? 冗談でしょ。自称「地獄のプリンセス」、Lorna (ローナ) さんはゴシックスタイルと『カワイイ』ファッションを完璧に統合させる。ふんだんにあしらったピンク、黒、ピアス——そしてぬいぐるみ! Instagramでのオルタナティブなメイク動画に始まり音楽に関するヒエラルキー的な神話を打ち破るTikTokの動画にいたるまで、誰もが注目度を競うネット空間でLornaは際立っている。そんな彼女に話を聞いてみた。 どのようにして自分のスタイルを見つけたのですか? たぶん中学生の頃だったと思いますが、友人とわたしの好きな曲をミックスしたのが始まりでした。Cannibal Corpse (カンニバル・コープス) とSlipknot (スリップノット) は親友から教わりましたが、Britney
ショウシ
名前: ショウシ。職業: フルタイムプリンセス。自称ファッションの王族、しかしこのY2Kファッションで着飾ったファッショニスタはとげとげしい。カラフルな原宿ファッションにセクシーさを加えた彼女の装いは注目度抜群。大きなフープイヤリング、長いネイル、そして床につくほど長い三つ編みのエクステは、ぱっと目立つのだ。「このファッションスタイルのギャルには決して手を出さないで! 」ショウシさんは派手な色のセクシーな服を身にまとい厚底の靴を履くチャンスを決して見逃さない。いざトウキョウプリンセスのお出ましです! さあ、道をお開けなさい! Model: @we_can_do_anything Photographer: @choom.online Written by Stefanie,
トレンドレポ: ファッショニスタ兼活動家
世界と戦え——ただし、お洒落にね! 日本のストリートファッションコミュニティーでは、スタイルが第一主義だが、それは決して簡単だからではないのだ。反骨精神はオルタナティブファッションの核である。そしてクリエイティブな人たちは、誰もがファッショニスタにも活動家にもなれると証明している。 Image courtesy of @bisukoezaki via Instagram. 江崎びす子 注射器? 薬? 包帯? かわいい系のコーディネートをする時に、普通は惹かれることのないこれらのアイテムが、まさに「病みかわいい」の基本だ。江崎びす子さんはモデルであり、メンタルヘルス問題に関するアクティビストであり、そして「メンヘラチャン」の作者でもある。このキャラクターはもともと、日本のメンタルヘルス問題を探るために江崎さんが生み出したものだが、オルタナティブファッション界の内外で話題となった。江崎さんは「病みかわいい」のモチーフを、ピンクでまとめた自身のスタイルに取り入れている。病むようなことがあったって、かわいくいられる、ということだ。 Instagram Image
考察: eガールを守るために
今のインターネットにおける三位一体メンバーをご紹介しよう。『Instaバディ』、『VSCOガール』、新登場の『eガール』だ。eガールは濃いめのチークを多用し、チョーカー、白黒のボーダー柄、濃いアイライナー、バンビのように大きな目、虹色の髪で知られる。だが彼女たちはセルフィ―を投稿するだけではない。ウェブで活躍する知られざるヒーローなのだ。逆に、彼女たちの高まる人気が面白くない人もいる。彼らがeガールに目くじらを立てる要因は、根拠のない敵意や真っ当な理由のある恨みではないだろうか? YoutuberのCorpse Husband (コープス・ハズバンド) が言うようにeガールはあなたの人生を破滅させるのか、それとも予想もしなかった活動を広める社会を救うヒーローなのか? ちなみに、なぜeガールはネットで嫌われるのだろう? その名は特に変な呼び名でもなんでもなく、単にネットゲーム好きの女子を指す。しかし裏の意味は、男の気を引くためなら何でもする女、である。実際その通りで、多数のeガールが熱心な男性ファンにオンラインで自分の写真を販売したり、TwitchによるライブストリーミングやYouTubeの動画を配信して利益を得ている——多くの場合、セックスがセールスポイントだ。ゲームコミュニティメンバーの多くはeガールに眉をひそめ、「真のゲーマーではない」とすぐさま攻撃する。eガールの定番スタイルがミームになることすらある。グリーンの髪と極太アイライナーはさんざん物笑いのタネにされた。だがそもそも、彼女たちを許せないのは男の妄想を利用してもうける点だけではなかったか? さらに言えば、eガールの「ドン引き」ファッションをイジるのは嫌いだからというより、本当はこっそり着てみたいから、なのでは? Image courtesy of Elle. ファッションと動画配信はさておき、eガールの中には有名なデジタル・アクティビストもいるが、それってスゴいことではないだろうか?
ヘルタースケルター
少しだけきらびやかな世界にスリップする時。赤いドレス、シルクの柔らかなランジェリー、頭上には宝石をちりばめた王冠。われらがこの上なく美しい乙女、りりこはまるで女神のよう。だが、彼女の内部は完全に腐っている。この写真は、サイコホラー映画 『ヘルタースケルター (2010) 』(強欲、退廃、虚栄心が渦巻く倒錯した作品) から着想を得た。 Model: @sheflawlesss_ Photographer: @choom.online Styling: @choom.online Written by Ash,
Sugarbonesさんが語る、セーラームーン、ビンテージピンナップ、そしてとびっきりのカワイイアート
Suguabones (シュガーボーンズ) さんの作品は、とても甘く虫歯になってしまうかも。オンタリオを本拠地にしているアーティストでデザイナーのSuguabonesさんは、『カワイイ』モチーフとセクシーなピンナップを組み合わせている。彼女の作品の中にはナイフを身につけた小さくてモフモフな子うさぎのように、ブラックユーモアの利いた陽気な作品もあれば、徹底的に小生意気なだけの作品もある。例えばパステルピンクの皮を脱ぎ捨てたヘビのストリッパーのように。かわいい? 良い? 悪い? おもしろい? Sugarbonesさんの作品には、驚かされてついつい2度見させられてしまう。 自己紹介をお願いします。 こんにちは、私はSugarbones、カナダのオンタリオ州に住んでいるアーティストでデザイナーです。私はウェブショップを5年以上経営しており、自らのデザインをエナメルピンズ、アクセサリー、そして意見の主張を衣服で表現したものを、専門的に取り扱ってきました。 ご自分のスタイルの特徴を説明していただけますか? 状況によって私のスタイルは全く異なる2つのタイプに分かれます。自分のアートワークやビジネスのために自宅で長時間働いているので、その間はできるだけ楽な格好でいたいです。オーバーサイズのセーターが、一番のお気に入りですね。出かけるときには、奇抜な服を着るのが大好きなんです。服をコスチュームのように組み合わせると、その背後にあるキャラクターが心に浮かび、とても楽しい気持ちになります。どんな洋服でもメッセージがあり何らかの雰囲気を漂わすと思うので、ふわふわのフェイクファーコートでまるでマフィアの妻のような、あるいはカーゴパンツとクロップトップでKim
シュガー&スパイス
世界はバランスを必要としている。善と悪、毛皮とラテックス、黒と
アンチヒーローとヴィラン: その違いとは?
誰でもスーパーマンやドラゴンボールの悟空のような完璧なスーパーヒーローが大好きだ。The Boys (ザ・ボーイズ) やJack Sparrow (ジャック・スパロー) のように精神と倫理感があやふやなアンチヒーローも、ちょっと楽しいものだ。残念ながら、たいていの場合、アンチヒーローとヴィラン (悪役) は混同されている。アンチヒーローはヴィランではなく、同様にヴィランはアンチヒーローではないのだが、どうやって両者を区別したら良いのだろうか? Image courtesy
ゴシック vs クラシック: ロリータの持つ興味深い二面性
ゴシックロリータとクラシックロリータは、ロリータファッションの中で対極に位置する。ゴシックロリータは、ダークでキュート、かつ大胆さがあり、クラシックロリータは、おとぎ話の世界のような、ロココ様式で上品な雰囲気だ。1つのコインに表と裏があるように、この異なる2つのロリータは、人間の本質を見事に象徴している。わたしたち人間には、光があれば闇もある。そのことを、これ以上ないくらいに的確に反映しているのが、Robert Louis Stevenson (ロバート・ルイス・スティーブンソン) の『The Strange Case of Dr. Jekyll